アポスティーユコラム

COLUMN

【日本の書類を海外へ】アポスティーユと領事認証の違いとは?基本構造から私文書の認証フローまで徹底解説

1.アポスティーユ・領事認証とは?(書類に信頼を与える手続き) 日本の書類を海外へ提出する場合,現地の受け入れ機関は「この書類は本当に日本の公的機関が発行した本物なのか?」「偽造ではないか?」を確認する術がありません。 そこで,日本の外務省という国の機関が「間違いなく本物です」という証明(お墨付き)を与えます。これにより,海外でも公的な書類として通用するようになります。 2.【原則】基本は「外務省の公印確認」+「駐日大使館での領事認証」 まず,認証手続きの本来の形(基本原則)から解説します。 通常,国をまたいで書類を有効にするには,以下の2段階の認証が必要です。 ステップ1:日本の外務省での「公印確認」 まず,日本の外務省が「この書類の公印は本物です」という証明(公印確認)を行います。 ▼ ステップ2:駐日大使館(領事館)での「領事認証」 次に,提出先国の駐日大使館(領事担当官)が,「外務省の印鑑は本物です」という確認(領事認証)を行います。 つまり,「日本側(外務省)の公印確認」を経て,さらに「相手国側(大使館)の領事認証」を受けるというダブルチェックを経て,初めて現地で使える書類になります。 一般的にはこの手続き全体を指して「領事認証を取得する」と表現されることが多いですが,正確には最後の大使館で行う手続きのことを「領事認証」と呼びます。 3.【特例】ハーグ条約加盟国なら「アポスティーユ」で領事認証が省略できる すべての書類で毎回ダブルチェック(領事認証)を行うのは,申請者にとっても大使館にとっても大変な手間です。 そこで,国際的なルール作りを行う「ハーグ国際私法会議」において,認証手続きを簡略化するための条約(外国公文書の認証を不要とする条約)が締結されました。認証の実務においては,この条約を指して単に「ハーグ条約」と呼ぶことが一般的です。 外務省のアポスティーユだけで完了する仕組み 提出先の国がこの「ハーグ条約」に加盟している場合(アメリカ,イギリス,韓国,中国,スペインなど)は特例が適用されます。 日本の外務省で「アポスティーユ(Apostille)」という特定の証明を受ける。 → これさえあれば,駐日大使館での領事認証は不要(省略)となる。 つまり,アポスティーユとは「大使館に行かなくて済む,スピードアップのための特例認証」のことなのです。 中国もアポスティーユ加盟国になりました(2023年11月〜) 以前は領事認証が必要な国の代表格であった「中国」ですが、2023年11月7日よりハーグ条約が発効されました。 これにより,現在は中国向けの書類も、原則として「アポスティーユ」だけで手続きが完了します(駐日中国大使館での領事認証は不要になりました)。 4.「私文書」の場合は,まず公証役場で公証してもらう ここまでは「公文書(戸籍謄本や登記簿謄本など)」の話でした。 注意が必要なのは,会社定款,委任状,契約書,卒業証明書などの「私文書」の場合です。 私文書はそのままでは外務省に出せません 日本の外務省は,公文書(公務員が発行した書類)の印鑑証明はできますが,私人が作成した書類(私文書)には直接認証を与えることができません。 そのため,私文書の場合は以下のステップを踏んで,書類を「公的な性質を持つもの」にする必要があります。 ステップ1:公証役場 公証人の面前で「この文書は真正に成立した」等の認証(公証)を受けます。 ▼ ステップ2:地方法務局 公証人の印鑑証明を受けます。 ▼ ステップ3:外務省(公印確認またはアポスティーユ): ここでようやく外務省の手続きに入れます。 ▼…