行政書士法人第一綜合事務所

帰化許可申請の要件とは?

帰化許可申請とは,外国籍の方が日本国籍を取得する手続きのことです。法律上(国籍法第14条),日本国において二重国籍は一部の例外を除いて認めていません。そのため,帰化が許可されると,申請人は従来の国籍の離脱を行い,日本国籍を取得することになります。

その後は,日本人として生活をすることになるため,在留期間更新許可申請を行う必要はありません。また,再入国許可が不要になり,自由に出入国ができるようになります。付随的効果として,住宅ローンの融資を受けやすくなることもあります。
さらに,日本国のパスポート取得が可能になりますので,日本と査証免除協定を締結している国への観光目的の渡航は,ビザの手続きをすることなく渡航することができるようになります。
※日本は68の国・地域と査証免除協定を締結しています(2020年4月現在)。

これから日本で安定的に住み続けていきたいと考えている外国籍の方は,帰化許可申請を考えてみても良いかもしれません。

本ページでは,帰化許可申請の7つの要件と審査ポイントについて説明をしていきます。
それでは,帰化許可申請の要件を具体的に見ていきましょう。

1.帰化許可申請の要件

帰化許可申請を考える前に,まずは要件を確認する必要があります。
帰化許可申請は,国籍法によって要件が定められています。
具体的には下記の7つの要件を抑える必要があります。

Ⅰ.住所要件

原則として,日本に引き続き5年以上の住所を有していること。そのうち,3年以上日本で就労していること。
ただし,日本人と結婚している等,特別な身分関係を有する場合は要件が緩和されています。
※詳細は【簡易帰化および大帰化について】をご確認下さい。

Ⅱ.能力要件

申請人の年齢が日本国および母国の法律上成人に達しており,行為能力を有すること。
※行為能力なしと判断されるケース⇒未成年,成年被後見人,被保佐人,被補助人等。
なお,未成年者については,親と一緒に帰化をする場合であれば帰化が認められます。

Ⅲ.素行要件

日本国内外を含めて,日常生活に問題がなく,素行が善良と判断されること。
⇒実務上,住民税や年金に未納がある場合は,素行要件を満たしていないとして不許可になります。また,過去の前科や交通違反も申請前に検討する必要があります。

Ⅳ.生計要件

日本で生計を共にする家族が安定的に生活をしていくことができる収入または資産を有していること。
⇒申請人自身だけではなく,同一世帯者の収入や資産も審査対象になります。
また,世帯での支出額(支払い額)も重要であり,いくら収入が多くても支出が多ければ審査は厳しくなります。つまり,収入が一般的にみて低くても,支出額が抑えられており,安定的に生活ができると判断されれば,帰化許可されることがあります。

Ⅴ.国籍喪失要件

日本国籍の取得と同時に,日本国以外の国籍を喪失すること。
⇒申請人の本国法によっては,外国籍の取得によって本国国籍を喪失しない国もあります。その場合は,帰化許可後に国籍離脱の手続きを行います。
また,本人の意思では本国国籍を離脱することができない場合は,日本国民との親族関係などの特別な事情があると認められるときは,国籍喪失要件を満たすものとして扱われます。

Ⅵ.日本国憲法遵守要件

日本国憲法施行後,その政府を暴力で破壊することを企て,若しくはその団体に加入したことがないこと。
⇒現にそのような組織に加入している場合はもちろん,過去に加入していた場合も不許可処分の対象になります。

Ⅶ.日本語能力要件

日本語能力要件は他の6つの要件と異なり,国籍法に記載がありません。
しかし,日本人として生活していくための最低限の日本語能力が実務上要求されます。
目安としては,小学校3年生レベルの日本語能力があれば足りるとされています。
帰化許可申請の面接の際に日本語能力を確認されますので,日本語能力に自信がない方は事前に勉強しておく必要があります。

2.帰化許可申請の審査ポイント

以上の7つの要件をふまえた上で,実務上よく見られる審査ポイントをご紹介します。

①申請人が給与所得者の場合

・勤務先が社会保険強制適用事業所である場合,住民税・厚生年金が給与から控除されているかどうか
・転職等により,1年間に2箇所以上から収入があった場合,年末調整または確定申告をしているかどうか
・海外の親族を扶養に入れているかどうか

②申請人が会社役員の場合

・社会保険(厚生年金)に加入しているかどうか
・会社の経営状況の確認(債務超過がある場合は審査に影響します。また,重加算税を課せられた場合は,実務上3年経過が必要です)

上記2つのケースを比較しても,個人の状況によって審査ポイントが分かれます。
特に,健康保険及び公的年金制度に加入していることは帰化許可申請において必須です。
未加入の方は,法令遵守のためにも,適正に加入するようにして下さい。

3.帰化許可申請の要件のまとめ

帰化許可申請は7つの要件がメインになります。しかし,申請人の在留資格や身分関係によって,要件が緩和されたり,確認すべき事項が発生します。
ご自身の状況を確認し,満たしておかなければならない要件や必要書類を事前に理解しておくことが帰化許可への近道になります。

帰化許可申請でお困りの方や,これから帰化許可申請をお考えの方は,ぜひ行政書士法人第一綜合事務所までお問い合わせください。お客様の最善の道をご提案させていただきます。