コラム

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【特定技能ビザ】「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」分野統合後の変更点と注意点

1.「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」統合の背景 従来は,3分野に分かれていた素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野は,受入れ上限数に達した統合前分野での受入れ再実現や,手続きの簡素化を主な理由として統合されました。 特定技能外国人の受入れが認められている12分野では,それぞれ受入れ上限数が設定されており,統合前にあった「産業機械製造業分野」で設定されていた特定技能外国人の受入れ上限数(5,250人)が,2022年2月末時点で人数超過しました。 人数超過の結果として,産業機械製造業分野では,一時的に,国外にいる外国人に対しての特定技能ビザ交付が停止される措置がとられました。 加えて,統合前の製造業3分野では,同じ就業場所でも複数の分野で特定技能外国人の受入れをする場合には,分野ごとに協議会加入手続きが必要であった点や,協議会加入手続きが煩雑であるなどの意見もあり,分野統合の実現を後押しする要因となりました。 元々は,3つの分野に分かれていた「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」を統合することで,製造業3分野それぞれの受入れ上限数も合算され,現在では,統合前に産業機械製造業分野に該当していた受入れ機関でも,再度,特定技能外国人の受け入れが可能となりました。 2.「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」統合後の変更点 製造業3分野の分野統合後の主な変更点について紹介します。 2-1.受入れ分野と業務の対応関係 統合前には,製造業3分野のそれぞれで,受入れ可能な特定技能外国人の業務区分が設定されていました。 他方で,統合後の現在では業務区分についても統合されたため,結果として,統合前には受入れが認められなかった業務区分の技能をもつ,特定技能外国人の受入れが可能となった受入れ機関もあることになります。 統合後に,素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で受入れ可能となった業務区分は次の表の通りです。 受入れ可能となった業務区分 鋳造 鍛造 ダイカスト 機械加工 金属プレス加工 鉄工 工場板金 めっき アルミニウム陽極酸化処理 仕上げ 機械検査 機械保全 電子機器組立 プリント配線板製造 プラスチック成形 電気機器組立て 溶接 工業包装 塗装     それぞれの業務区分の技能要件を満たす特定技能外国人であれば,受入れが可能です。 また,統合前には,特定技能外国人が就労する分野を変更する場合には,仮に就労先に変更が無かった場合でも,新たに特定技能ビザの切り替えをする必要があったため,複数の分野に該当していた製造業の受入れ機関は,手続き上の手間が大幅に削減されています。 2-2.特定技能外国人の受入れ上限数 統合前には,製造業3分野での特定技能外国人の受入れ上限数は,次の通りに設定されていました。 素形材産業分野 産業機械製造業分野…